アメリカの人たちが敬虔なキリスト教の信者と聞きます。
そこで、イエス様の足跡を調べました。
抜粋1***************************
物語 世界史への旅 山川出版社 大江一道・山崎利男
イエスは神の国をどういうものと見、考えていたのか。
とうぜん、パリサイ派の人びとが、この問題でつっかかってきた。
「神の国はいつくるんだね、イエスさん。」
とげをふくんだ質問に答えるイエスの言葉はこうだった。
「神の国というのは、見られるかたちでくるものではないんだよ。また、”見よ、ここにある”とか ”あそこにある”などといえるものでもないんだ。神の国というのはね、あなたがたのただ中にあるのだ。」
「ただ中に」というのは、原語では「手のとどくところに」というのは、目に見える固定された場所といったような意味ではない。
人間の生き方、ふるまいのなかに可能性としてあるものなのだ、とイエスは考えているのである。
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イエスの行動や言葉は、かれの刑死後にのこされたさまざまな伝承が、紀元一、二世紀ごろまでに編集されてできた『新約聖書』によってしか知るほかはない。
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だから、イエスがほんとうに何をのぞみ、何を、どんなつもりで語ったのか、ということは、聖書にのこされた記録の奥ふかいところを読みとることによってしかわからない。
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しかし、国家が差別を作り出している以上、その差別を根底からつきくずそうとする願いをもって行動してきたイエスが、今の国家秩序を認めない政治犯として抹殺されるのは、支配するもののがわの論理からすれば「正当」であった。イエスもそのことを知り、沈黙したまま死をえらんだのではなかったろうか。かれはただ、大地をはうようにして生きている、貧しい、飢えた、泣きつづける人びとが、人間らしく、ともに生きられるような世の中がくることをのぞんだだけであったのに。
抜粋1****************************
新約聖書は27巻からなる。その中で、聖書の核心をついている部分として、「山上の垂訓」がある。
抜粋2***************************
新約聖書入門 心の糧を求める人へ 光文社 三浦綾子
以下山上の垂訓から、イエスのみ言葉を抄出してみよう。実は、聖書は一字も飛ばさずに読むことが肝要なのだ。自分の好みにのみ従っていては、必ず独善的になり、まちがって受けとりやすいからである。
こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。
柔和な人たちは、さいわいである、彼らは地を受けつぐであろう。
義に飢えかわいている人たちは、さいわいである、彼らは飽き足りるようになるであろう
あわれみ深い人たちは、さいわいである、彼らはあわれみを受けるであろう。
心の清い人たちは、さいわいである、彼らは神を見るであろう。
平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。
義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである
これは至福の教えといいわれている。
抜粋2***************************
抜粋3***************************
新約聖書入門 心の糧を求める人へ 光文社 三浦綾子
さらに、教会の多くは、前に述べたように、讃美歌五六四番によって文語体でとなえ、「国と力とは汝のものなればなり」との讃美の言葉が加わっている。さて、冒頭は呼びかけである。ここで神を、「われらの父よ」と呼んでいる。父とは神と人問との関係を最も明確に単純に現わした言葉である。神は、私たち人間が勝手につくり上げたものでもなければ、観念的な存在でもない。神を「われらの父」と呼ぶ限り、神はただひとりであるということでもある。自分の父は一人しかいないからである。
よくこういう人がいる。「あなたは日本人だから、日本人の神を拝みなさい」と。
だが、神はこの宇宙にただひとりなのである。日本だけの神とか、アメリカだけしか守らない神だとか、ドイツの祈りだけを聞く神だとか、そんな吝な存在ではない。「われらの父」なのである。ということは、全人類がみな、兄弟姉妹だということも意味している。そしてこの全宇宙が、神の、父にも似た愛によってつくられ、祝福されているということである。
抜粋3***************************
イエスさまが、ローマ帝国から迫害を受けながら、差別された人々を含め、あまねく人々に伝えたかったことが、わかってくるかと思います。
神は、この宇宙にただひとり。われらの父
どのような人が、さいわいなのでしょうか?
それでは、現在のローマ帝国とは、どの国でしょうか?
イエスの言葉である
こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである
を思い出してください。
アメリカが恐れているもの、真のテロは、この言葉にあるものと思いますが、いかがでしょうか。
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