4 教育改革の失敗


 学校教育に対しておこなってきた文部省主導の教育改革は、ことごとく失敗に終わっているか、
ほとんど何の効果も生み出していない。例をあげると、

@ 「教育にゆとりを」ということで授業時間数が減らされたが、結果は公立学校の児童 生徒の
   学力の低下をきたし、それに対する保護者の危惧から、かえって学習塾での補習 の必要性
   が増大した。
A 「受験過熱と大学間格差を少しでもなくそう」ということで共通1次テストが生まれ たが、結果
   は予備校の隆盛と大学の序列化を生み出しただけだった。
B 個性化、個別化の教育の推進が、結果として、均質的な考え方と行動しかとれない学 生を大
   量に生んでしまった。
 このような改革の失敗の根本的原因は、現実を無視し、観念的に考えたことにあった。教育改革は、
いつもある教育理念という柱のもとに構想される。至極当然のように思うがこれが間違いであった。
教育はこうあるべきだ、こうしなくてはいけないが先にくる。そういう教育の理想、子どもの理想をあげ、
それを踏まえなくてはなにも始まらないという先入観が混乱の大元になったのである。
 
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