7 地域社会・家庭・関係機関との連携を阻むもの

 第一に、関係者の中には連携業務が加わることにある種の煩わしさや抵抗を感じる者が稀で
はないということ。
 そして第二に、「連携」によって外部から多様な人が出入りするようになると、学校が無秩序な
状況になる可能性があることである。学校には児童生徒文化にふさわしい教育環境が形成され、
かれらはそこで安心して学校生活を送っている。だが、外部から人の出入りが激しくなり、その影
響が強すぎると、学校教育本来の目的に支障をきたすおそれがある。
 第三に、学校・地域社会・家庭・関係機関は子どもたちに対してそれぞれの価値観を持って接し
てきている。例えば、飲酒については学校の価値観からすれば厳禁されるが、家庭では少しくら
いは認められることもある。学校で失敗した子どもは地域社会や家庭に癒しの場を求めることが
できる。しかし、連携を進めるうちに、よくない意味での情報交換が進められると、同じような価値
観で子どもたちに対するようになり、結果的に彼らを囲い込んでしまうおそれがある。
 
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