4 変わる子どもの実態

 教育改革国民会議の最終報告要旨の冒頭が次のような文から始まっている。
 「日本の教育の荒廃は見過ごせないものがある。教育をめぐる現状は深刻で、社会が立ちゆ
かなくなる危機にひんしている」
 また、ある中学教師は次のように述べている。
 この十年で、中学生は質的に大きく変貌した。まず、生徒たちは非常にひ弱になっている。生
活能力が大きく低下して、身のこなしもスムーズにできない。他人との関係をうまく作ることが
できず、いつも緊張して白分の殻に閉じこもり、相手を傷つけたことがわかると大きく傷つく。リ
ーダーシップをとったり、辛いことに直面して立ち向かおうとしたり上手にすりぬけて我慢したり
することが難しくなった。
 その一方で、わがままで頑固になった。欲望を上手にコントロールすることができず、その時
々の気分で何でもやってしまう。悪いのはすべて他人であると自分を正当化する。生徒たちが、
いつ、どこで、どんな行動をするのか、予測ができなくなった。」
 こうした傾向に対して、かって臨時教育審議会の第1次答中(昭和60年6月)は、子どもの問
題傾向や背景の要因を次のように指摘していた。

@詰め込み教育と画一的な指導。
A家庭における教育機能の低下。
B地域における教育力の低下。
C子どもを取り巷く有害な環境。
 この指摘はすでに十数年前であるが、その後も繰り返し言われ統けてきた。
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