11 変わるか日本

  日本が変わるのは、どういう場合であろうか。これも、
歴史的事実から探ると、ほとんど、外圧による変化であっ
た。蒙古襲来、鉄砲伝来、黒船、敗戦etc、しかし、外圧
によらないものがあった。それは、平安時代から、武家
社会に変わったことであった。悠久の昔、平安時代にお
いて、千年期に到来するにつれ、末法思想が人々の心
を支配していた。貴族社会において、どんなに、地域の混
乱、人民の苦しみがあろうと、和歌を読み、現実を逃避し
た生活を送っていた。地域の混乱を静めるのに、今まで、
貴族に侍っていた武士の力を頼るしかなくなり、武士の台
頭を招いた。その事実からなにを学ぶことができるだろうか。
 戦後の教育において、東大を起点とした学歴社会を生んだ。
私の心をよぎるのは、週刊誌で読んだ、日銀総裁をばかにし
たある東大教授であった。また、有名大学の若者を魅了した
ある宗教団体であった。その宗教団体を扱った記事の中に、
理論の精緻さにあり、「近づいてはいけない」という文面があ
ったように思う。
 詐欺師は、人の弱いところをついてくる。理論の精緻さにより、
一旦とりこにされるとぬけだすことができず、騙されてしまう。
現実にはできない 、ありえないことをまことしやか「ああいえ
ば、こういう」という具合に近づいてくる。
 ある宗教団体においては、自分の力で稼いでいるが、自分
で稼ぐことなく、いかに国民の血税をいかに収奪し、分配するか
に明け暮れる人は、ある宗教団体以下ではないだろうか。バブ
ルの原因を作った銀行(経営者)、現実から離れたことをまことし
やかに話す学者たち、それを信じて、狭い建物の中で意思決定
する官僚達。その意思決定の責任をとらない無責任者達。銀行、
官僚達に翻弄される現場の人たち。
 戦前においては、士官学校出のエリートが、八紘一宇の思想の
もとに、一度でもアメリカの大工業地帯を見れば、国力の圧倒的
違いという現実から、参戦などありえないと思うに違いない太平洋
戦争に国民を導き、多大の悲劇と苦難を強いた。
 では、現在、東大を起点とするエリートと目される人たちは、国民
をどこに導くのであろうか。
 このような文を書き、読んで頂けるのは、インターネットという道具
の存在である。
この道具を媒介にして、国民の心が一つになり、流れをつくり、流れ
が大きくなれば、日本が変わるかもしれない。そこで問題になるの
は、国民一人ひとりの意思決定である。

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