10 変わる学力観

  学力を評価する場合、紙の印刷媒体による試験がすぐ思いつくが、
従来の試験にできなかったことが可能になると思う。試験は普通限ら
れた時間内の処理を要求し、問題もその限られた時間内にできる問
題という制約がつく。しかし、パソコンによる情報処理の自動化はその
制約を緩和し、問題の質を変えて行く。
 そして、意思決定できる力が重要な要素になる。意思決定を左右する
ものとして、7割がた情報と言われている。個人にとって、職場、家庭等
の環境に有益な情報を現場、現実、事実から速く、多く入手し、今までの
経験、知識を活用して論理的に思考し、意思決定を下していかなくては
いけない。
 そこで学校教育においては、情報の入手のため、直接体験、確かな
知識、技術、言語(母国語、英語)、情報の加工のため、論理的考え方
が今以上に重要になってくる。そして本当の教育は、実は卒業後になる
のではないだろうか。それは、社会に出た場合、何らかの形で、職業なり、
地域の活動に加わるが、その活動に必要な情報を入手し、加工し、意思
決定を下し続けなければならないからだ。急激に変化する情報社会におい
ては、過去の知識、技術の陳腐化のため、最新の情報、技術を求めなくて
はいけなく、ある場合は、一時、学校に戻るというリカレント教育が常用化
していくのではないだろうか。
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