第10章 情報

1 利益誘導型の価値観

 戦後の日本人の行動を支配してきた価値観として、国家より個人の利益が優先
されるという価値観がある。戦前の国家に奉仕することに対する否定から個人主
義が優先されてきた。この価値観が日本全土を覆っており、家族、企業、官庁、ど
の組織においても、いかに自分のところに、自分のまわりの人たちに、自分に関係
する組織の人たちに、利益を誘導するかに、腐心しているか。現在、外務省をはじ
めとする官僚が世間からたたかれているが、それに類することは、どの組織におい
ても、大なり小なり行われてきたのではないだろうか。ただ、国家の命運を左右す
る組織においては、道徳の問題ではなく、立派な犯罪行為(国家反逆罪)が成立す
るが、誰も摘発しないし、不問に伏してしまう。逆から考えるてみると、組織外の者
や国家をないがしろにする行為であり、その目標は、いかに組織外の者、国民を騙
し欺くかになる。(そういえば、国家のため、国民のためという者に限って、実際やる
ことはまるで正反対のことが多いのは気のせいか!)


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