2月28日(土)


  テレビで鳥インフルエンザのニュースがあり、広がりを見せていた。自分の組織さえ守ればよい、他はどうでもよいという考えが、被害を大きくし、パニックへと発展していった。伝染性の強さから全国にパニックが広がる寸前で、匿名の電話がありパニックはその地域内で収めることことができた。匿名の電話をかけた者は、どのような気持ちで電話をかけたのであろうか。自分及びその組織を守るか、国家を守るかの究極の選択があり、組織を守っていたのでは、国家が立ち行かなくなるとの強い危機感があったのではないか。
  この感覚は日本人が遠く忘れ去られた感覚であった。太平洋戦争の敗戦から国家が否定され個人が尊重される世になった。会社、学校、官庁にしても、個人及び組織の利益を最優先にすることが大事とされ、それは教育によって推進されていった。その利益はお金として消化され、組織の外側には不利益が堆積していった。その一番外側にくる国家が、その累々たる堆積物ために今や埋もれんとしている。
  そのことは、情報化の急速な進展にあわせ、誰の目にも明らかになり、その流れを止めることができないこともわかってきた。そしてどこかで、何かのきっかけで弾けるのではないかとうすうす感じてきた。このままではいけないと誰もが思うが、どうすることもできない現実が待っていることも。