1月26日(月)

 職員室に丸山先生と同じ講座をティームティーチングで受け持っており、商業科主任でもある三邦先生が現れた。三邦先生は、今年度赴任してきた先生で、3年のクラス担任であった。

仕事に追われて時間がない場合が多く、ちょっとした機会を作って話し合わないと機会を見失ってしまうことが多い。また、その講座は3年の講座で、授業回数の残りが頭をよぎったので、あわてて三邦先生を呼び止め、成績のことで相談した。その講座は、昨年の9月より商業科の取り決めで、三邦先生は同じ時間に開講している他の講座に応援にいっており、一人でやっている状態で、成績をどうつければよいか不安と迷いがあった。

「あなたといっしょに受け持っている情報処理の講座で、良くない生徒がいまして、あまり課題を出しません。あの生徒は、よそ見とお喋りばかりしている、この生徒はやるべきことをやらずにお絵かきばかりしている」

三邦先生は少し考え込み、やおら、

「その生徒達は課題を全く出さなんがか」

「課題は出すことは出しますが、他の生徒と比べて際立って少ないんです」

三邦先生は先を急いでいるようで、立ったまま、学事システムの画面に向って、

「それでは、また時間がある時に話し合おう」ということで終わった。