第7章 文部科学省の対応

 チェルノブイリの原発から 4 キロほど離れたプリピャチの町の放射線は 4 マイクロシーベルトでした。5万数千人住んでいたこの町は、今誰も住んでいない死の町になっている。

 文部科学省が通達を出している安全基準が 3.8 マイクロシーベルトで、このプリピャチの町とほとんど同じです。福島市の子供たちの未来が危険であり、その危険なことを現在、政府は進めようとしています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041901001021.html より、

福島の13校で屋外活動制限 文科省、放射線基準を公表

2011 年 4 月 19 日 23 時 59 分

 文部科学省は19日、原発事故を受けて福島県内の小中学校や幼稚園で屋外の放射線量が毎時3・8マイクロシーベルト以上となった13校について、校庭の活動を1日1時間程度に抑えるなど屋外活動を制限するよう同県に通知した。

 活動制限の対象となったのは、福島第1原発の北西方向の福島、伊達両市と西に位置する郡山市の小学校6校、中学校4校、幼稚園・保育園計3園で、児童らの数は計3560人。最も遠かったのが原発から64・3キロの福島市立小学校だった。

 基準値の3・8マイクロシーベルトは、児童らが1日に屋外で8時間、屋内で16時間過ごすと仮定し、年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達するかどうかを目安に算定、公表した。

 屋外活動の制限基準は、福島第1原発から20キロ圏内の避難指示区域や計画的避難区域、緊急時避難準備区域を除く地域が対象。身長差を考慮して中学校が地面から高さ1メートル、その他は50センチでの放射線量で判定した。

 通知では、3・8マイクロシーベルト以上となった学校では(1)屋外活動後の手洗いやうがいをする(2)土や砂を口に入れないよう、幼稚園や保育園では砂場の利用を控えるなど注意する(3)登校時や帰宅時の靴の泥を落とす―などの点にも配慮するよう求めた。

 3・8マイクロシーベルト未満であれば、校庭などを平常通り利用して問題ないとしたが、全体の放射線量が減少傾向にあるなどとして、これらの措置は夏休み終了までの「暫定的考え方」とした。

 また文科省は対象となった13校について、約1週間ごとに線量測定を実施し、数値の低下が確認されれば制限を解除するとした。基準策定に当たって原子力安全委員会が行った助言に従い、福島県内の各校に線量計を配布、教職員に継続的に被ばく線量を計測させる。

 文科省は、県が今月上旬に実施した約1600地点の放射線量測定で数値が比較的高かった計52校について、14日に屋内外の放射線量や校庭の土壌を詳細に再調査し、基準づくりを進めていた。(共同)

文部科学省は子供の生命・健康を危険にさらしていると思いませんか 

1 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明しました。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判しました。小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出しました。

会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えました。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べました。

また、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測が4月下旬までに2回しか公表されなかったことも批判。「今のやり方は、東京で数字をぼっと決めてやっている」と指摘し、政権の対応について「私がやってきたことからは外れているので、これ以上とどまっている理由はあまりない」と語りました。

※ 小佐古氏は放射線安全学などが専門で、東日本大震災発生後の3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任しました。菅直人首相は小佐古氏ら計6人の原子力専門家らを次々に内閣官房参与に任命しました。 4/29

2 武田教授も同様なことをブログで書いています。規制をいったん緩めると、何でもありになってしまいます。将来世代の夢をぶち壊す現政権の指示なのでしょうが、班目さんは完全な御用学者に化けました。こういう人がまだいるなんて・・・。早く、辞任したらと思います。明らかに保身であり、将来世代が心配でなりません。 4/30

文部科学省の発表した学校の年間被ばく許容量 20 ミリシーベルトは適正と思いますか

1 チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげています。私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及びます。

セシウムやプルトニウムなどは年に1〜3センチずつ土壌に入り込み、食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出します。例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルでした。そういう事実を知るべきです。

日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価しています。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしいです。直ちにではないが、影響はあるということです。 3/27

2 チェルノブイリで事故処理作業を指揮した放射線生物学者ナタリア・マンズロヴァ

 『できるだけすぐに逃げなさい。待ってはいけません。自分を救うのです。政府を信じてはだめ。政府はうそをつくから。政府はあなたに真実を知ってほしくないのです。それほど原子力産業は強力なのです。』

3 社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン) 

 『子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない』

4 文部科学省の発表した学校の年間被ばく許容量 20 ミリシーベルトに対して、日本弁護士連合会が抗議をしています。考えてみれば政府や文科省は法律違反をしているわけですから、批判されて当たり前なのですが、なぜメディアやニュースで取り上げないのでしょうか。今日が統一地方選挙だから。それとも報道規制。

イラク戦争の時も政府の都合の良い報道ばかりでしたが、朝日新聞やテレビ朝日、また毎日新聞は政府に批判的な報道もしてきました。しかし今、放射能関連の報道は政府の言うままの情報を流し、異を唱える報道機関はありません。これでは中国やロシアと何ら変わりはないでしょう。

このままでは福島の子供たちが殺されてしまいます。子供たちにも被ばくを拒む選択肢を与えてください。法律で定める年間許容被ばく量は1ミリシーベルトです。また、0.6マイクロシーベルト / 時を超える場所は「放射線管理区域」として指定し、関係者以外の立ち入りを禁止しなければなりません。もちろん子供たちを立ち入らせてはいけません。なぜこのような法律違反を報道しないのか不思議でなりません。 4/24

5 日本政府、文科省、経産省、東電は、メディアにお金をあげているのです。自分たちに不都合な報道はしません。子供が癌になろうと国民が死のうと何とも思ってないのです。

そもそも一般人 ( 大人 ) でも年間 1 ミリシーベルトという WHO 世界保健機構で定められた世界安全基準があります。日本では安全となっている日本製品が海外から規制されているのが実態です。

過去の放射能被曝がらみの裁判で4年3カ月の累積70ミリシーベルトで多発性骨髄腫を発症して判決が出る前に亡くなられた長尾光明さんという方がおられます。この裁判は労災にはなりましたが裁判では負けています。

おそらく政府も東電も経済産業省、文部科学省もこういう判例が腹にあるので、実際子供たちが 4-5 年後甲状腺がんになろうと賠償責任はしなくていいと高を括っているのでしょう。

今回の年間 20 シーベルトは子供に対する基準です。この 20 は外部被曝のみで内部被曝計算は入っていません。原発で働く方などがもっとも恐れるのは今回の配慮にない内部被曝の方なのです。ちなみに長尾さんが受けて骨髄腫になった被曝線量は年間16.47ミリシーベルトです。 4/30

6 小佐古氏は、放射線防護の専門家として先月 16 日に内閣官房参与に就任しましたが、「原子力行政は法と正義にのっとり行われるべきだ。政府の対応は法にのっとっておらず、誰が決定したのかも明らかでなく、納得できない」と述べて辞任しました。

小佐古氏は、これまでの政府の対応について「原子力、防災マニュアルなどを軽視し、その場限りの対応で、事態の収束を遅らせている」と厳しく批判しました。さらに、放射線業務従事者の被ばく限度の決め方についても、「極めて短時間にメールで審議し、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じる」としています。また、「情報の公開をさらに進めるべき」とも指摘していて、小佐古氏の辞任は菅内閣のやり方を暴露した形になりました。

小佐古氏が問題視することの一つに、具体的には、特に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の運用に関して「法令に定められている手順通りに運用されておらず、結果も迅速に公表されていない」 こととか、文部科学省が福島県内の小学校・幼稚園などで屋外活動を制限する放射線量を「年間積算放射線量20ミリシーベルト」と設定したことにあります。

この設定について首相は30日の衆院予算委で「安全委の助言を得ながら最終的な判断をした」と今回はあっさり認めました。だから高木義明文部科学相は、学校などの制限放射線量について「この方針で心配ない」と断言しています。

しかし、また菅首相は、「ここをある意味でスタートにしていかに線量を下げていくか、努力を早急に行わなければならない」と見直しを示唆しました。「ここをある意味でスタートにしていかに線量を下げていくか、努力を早急に行わなければならない」は、実に巧妙な言いまわしです。

これでこの20ミリシーベルトの問題については、菅首相はどっちに転んでも責任を問われにくくなりました。しかし、菅首相はこのような巧妙な言い方で、現実に官僚や国民どう対処すべきかあいまいな発言ばかりしています。これではまた周囲は、余計にわからなくなるし、現場も国民も結局いつものように、菅首相に振りまわされることになります。 5/1

参考・引用文献 チェルノブイリから 25 年(つぶやきいわぢろう)

http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/952.html