第5章 政府・東電の初期対応

3月下旬の東電の発表

 3月下旬の東電の発表では、「燃料棒が露出している状態になっている」。「圧力容器の下部に穴があいているイメージだ」

 原子炉を冷やそうとポンプで水を入れても、原子炉に水が溜まらなく水位が上がらない。

その放射能に汚染された水が、格納容器の穴から、外に出て、タービン建屋やトレンチに溜まっている状況です。原子炉を冷やすため、それを続けるしかない。

原子炉格納容器のひび割れ、穴を防ぐ工事はできそうもなく、正常な冷却回路が復帰できないため、相当長期間水を出し続けなければならない。

事故直後の放射能汚染のシミュレーション

各国の政府は、事故後放射能汚染がどのように広がっていくかシミュレーションしていすが、日本は、住民の被爆よりパニックを恐れ、日本原子力研究開発機構が多額の予算で作った SPEEDI のデータを公表はしていません。住民の生命・健康を考えていれば、どちらに汚染が進むか随時、頻繁に公表しなくてはいけないのですが、住民の生命・危険にさらす道を日本政府は選択してしまったのです。

16 人の原発推進学者からの緊急提言

「原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝する」

「私たちは事故の推移に固唾を飲んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、事故を終息させる見通しが得られていない」「膨大な放射性物質は圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている」 「特に懸念されることは溶融炉心が圧力容器を溶かし、格納容器に移り、大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである」

「当面なすべきことは原子炉及び使用済み核燃料プール内の燃料の冷却を安定させ、大量の放射能を閉じ込めること。これを達成することは極めて困難であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない」

(ネット上の)報道、専門家等の発言

「最悪の事態になったときは東日本がつぶれることも想定しなければならない」

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011031601176 (時事通信社)

「最悪の事態になったときは東日本がつぶれることも想定しなければならない」。菅直人首相は16日夜、東京電力福島第1原発の事故をめぐり、首相官邸で会った笹森清内閣特別顧問にこう語った。放射性物質の飛散により、広大な地域でさまざまな影響が出かねないとの危機意識を示したとみられる。

住民の健康被害については「枝野幸男官房長官からコメントするなと指示があった」と説明している。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1157796791   ( 毎日新聞 )